災害時も口腔ケアが欠かせません

防災リュックには口腔ケアグッズも忘れずに

このところの日本列島は大型台風や地震などにより大きな災害に見舞われています。被災地の復旧もままならない状況から長期間の避難生活を余儀なくされている方々や休みを返上して対応されている方々も多いことと思います。1日も早く平穏な日常に戻られるように願うばかりです。
とくに日本は地震国といわれ、小さな国土の割に大きな地震の大きな発生率が高いことでも知られています。いつどこで起きても不思議はないという自覚を持って防災意識を高めることが肝心だといえます。
防災リュックなどですでに万が一に備えている方も多いかと思いますが、その際、口腔ケアグッズも忘れずに準備することをお勧めします。

むし歯や歯周病が悪化しやすい環境

大規模な災害になると避難所生活が長引き、衛生面での問題が出てくる場合があります。とくに問題になってくるのは口腔ケアについてです。
避難所の生活ではどうしても食事の回数が減ったり、不規則なったりします。そのほかストレスなどもあり唾液の分泌量が減り、唾液による自浄作用が低下することが心配されます。
また、避難所には支援物資のお菓子や飲み物が身近に置かれ、いつでも口にすることができるため、お子さんなどはどうしても間食が多くなってしまいます。こうした食生活や食習慣の変化のうえに、歯磨きが十分にできないといった環境因子が加わり、むし歯が多発しやすい状況にあるということを念頭に入れておく必要があります。
糖尿病など全身疾患のある方も要注意です。歯ブラシなど口腔内の清掃が 十分であれば歯周病の悪化を招きやすく、口腔内だけでなく、糖尿病をはじめに身体の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。血糖値のコントロールのためにも歯周病の予防に心がけてください。
高齢者の場合には口腔内の汚れによって誤嚥性肺炎になるリスクを高めるため、入れ歯の洗浄などにも十分に注意を払う必要があります。肺炎だけでなく、インフルエンザ予防にも、オーラルケアは効果的だといわれています。

液体ハミガキや洗口液、うがい薬の利用も

避難先での口腔ケアの方法は、水が不足している場合は食後にお茶や飲み水を少量ずつ口に含んでうがいをします。ハンカチや柔らかい布があれば、指に巻き付けて歯の表面をぬぐって汚れを落としてお茶やお水で口をゆすぎます。
歯ブラシがあれば、30ccの水を1回分として用意して水をつけてブラッシングし、歯ブラシに汚れがついたらティッシュなどで拭き取ります。その後3回くらいにわけて口をゆすぎます。
また、液体ハミガキや洗口液、うがい薬があれば、水のかわりに使って口をゆすいでください。口腔内を清潔に保つのには役立ちます。
お口の中の健康同様、災害時も普段の備えがものをいいます。避難先での口腔ケアの重要性も念頭において、防災リュックに歯ブラシ、コップのほかできれは、歯間ブラシ、デンタルフロス、うがい用薬液（マウスウォッシュ等）、歯磨きガム（シュガーレスガム等）、入れ歯などを使用している場合は保管ケースや入れ歯洗浄剤などをいれておくとよいでしょう。